デザイナーズソファ物語 B - ソファースタイル

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デザイナーズソファ物語 B

今回は正規品とは違う『リプロダクト』製品が生まれた経緯をお話します。

「リプロダクトってなに?」

 

例えば『ル・コルビジェのLC2』シリーズだと、意匠権が切れるまでの製造・販売は意匠権を持っているイタリアのカッシーナ社が独占的に行えていたんです。でも、ソファは美術品じゃなく大量生産できる工業生産物なので、その意匠権の期限が切れた後は、「誰でも自由に作って売ってもいいですよ。」となるわけです。意匠権が切れた後でも、カッシーナ社は『正規品』として今尚、製造・販売してますし、そこは本家本元だと主張するべきところです。長年の培ってきた技術と携わってきた人達の一寸違わぬきちんとしたプロ意識の下で製造されているものですから。アフターケアも充実しています。だけど・・・意匠権の権利が無くなっても一般庶民が即決で購入できるお値段じゃないんですよね・・・。

 

そこで、登場してきたのが『リプロダクト』や『ジェネリック』と呼ばれるお値段手頃のデザイナーズソファです。リプロダクトというのは「オリジナルメーカーではない他のメーカーがオリジナルのデザインに忠実に基づいて作った復刻版製品」なのです。素材や人件費などを抑えてオリジナルより低価格で消費者に提供しよう、ということなんです。消費者にとってはこれで選択肢が増えたことになります。ただし、リプロダクト製品は販売の際に『正規品』として売るのは違法になります。ちゃんと『リプロダクト』や『復刻版』と表示されなくてはいけないんですけど、これがね・・・。オリジナルを忠実に再現した・・なんてものじゃなくただの見かけだけのコピー商品もたくさんあるんです。その場合、リプロダクトの表記すらありませんし。リプロダクトと銘を打っているのは「そのオリジナルソファの精神をも基にして作っています。デザインだけじゃないんです。」という各メーカーの自負もあるんですよね。
と、いうことで次回は、その数多くあるリプロダクトソファの良し悪しを比較検討するポイントついてお話しましょう。