ソファの思い出 アメリカ編1

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愛しのソファでリラックス

ソファの思い出 アメリカ編1

数年前にアメリカでホームステイ体験をしたとき、
ホストマザーの実家に連れていってもらったことがありました。
そのおうちのソファはおしゃれでも何でもない、3人掛けくらいの大きさのソファで、
テレビドラマの一般家庭に出てくるような、ほとんど特徴のないソファでした。

でも、そのソファにはパッチワークのソファカバーが掛けられていて、
そのカバーと同じパッチワークで2つのクッションにカバーが掛けられていました。
そのパッチワークカバーは、少し古びていて、いかにも実家という雰囲気を
増し加えていました。そのパッチワークは、今は亡きホストマザーのママが作ったもので、
大切に大切に扱われていました。
ソファ自体は何の変哲もないものなのに、どこか、そのソファは温かく、
座っていてリラックスできる感じでした。英語もろくにしゃべれず、初対面で、
かなり緊張していた私も、そのソファに座った時、何だか落ち着くことができました。

ホストマザーの実家には、ホストマザーのパパと妹、1歳になる妹の息子が
同居していました。妹は離婚してシングルマザーとなっており、
平日は働きに出ています。その実家でホストマザーのパパと孫息子の二人が
日中は過ごしています。孫息子もグランマのパッチワークソファはお気に入りの様子で、
そのソファを定位置として、ヨチヨチと辺りを歩き回って散策しては、
帰るべき場所に帰るという感じで、戻ってきます。
1歳の子供には自力で上がることができない座面のソファなので、
そこに戻ると、その度にグランパが引き上げてあげ、
彼はそこでひとしきり休憩すると、またスルスルとソファから滑り降りて、
家の中の散策に出かけます。

私が訪問した時も、人見知りすることもなく、かと言ってハイテンションになることもなく、
1歳の孫息子は、まるで自分の仕事を淡々とこなすように、
散策しては、ソファに戻り、休憩。また散策するを繰り返していました。
その孫息子の様子をソファに座りながら、グランパと共に眺め、
南部なまりのグランパの英語を完全に聞き取れたわけでもない私でしたが、
とても温かい気持ちで、つたないながらもグランパの思い出話に
耳を傾けさせてもらいました。

2012年2月8日 / タグ:[ , , ]