TOP > ソファスタイル コラム > ソファースタイル公式ブログ > 米人気ドラマ『フレンズ』(その2)
前回に続き、アメリカの国民的人気ドラマ『フレンズ』に登場するソファに注目してみましょう。
まずは、全エピソードを通して、オープニング・シーンに最も多く使われたであろうカフェ、セントラル・パークのソファ。
主役たちが座るのは、カフェの中央に置かれたアンティーク・テイストのソファ一台。その右側に置かれた色の異なるアームチェア。ソファの左側に置かれた、布張りの木製チェア数脚。そして、ソファの前にはコーヒー・テーブル。
ソファとアームチェアは、同一シリーズのものではなく、カフェのオーナーが単品でひとつずつ集め、独自のセンスで組合わせたのでしょうか(もちろん、実際には番組のインテリア担当スタッフの手によるものですが)。
大人の憩いの場として、重厚感がありながらカジュアルさも漂わせるインテリアがピッタリです。こんなカフェの、こんなソファに深く腰を下ろし、コーヒーを遠慮なくおかわりしながら何時間も読書できたら最高でしょう。
一方、もう一つの舞台である、アパートメントのリビングのソファは真っ白。大きなソファとアームチェアは、同じシリーズのものでしょうか。
デコラティブなオットマンはお揃いではなく、ちょっとしたアクセントとして光っています。
6人が座るには席の数が足りないため、メンバーのうち必ず一人は、ソファではなくラグの上に直に座り、テーブルに飲み物を置いてすすっていたり、または立ち上がってメンバーに話しかけていたり…いつも絶妙のバランスで登場人物が配置されています。
このソファをセットの中心に置き、毎回楽しいエピソードが繰り広げられるのですが、二百を超えるエピソードの中には、若者二人が、まるで小学生の男の子のようにアームチェアを巡って争奪戦を繰り広げる話もありました。
放送開始当時、製作者も俳優陣も、その後十年も放送が続く大ヒットになるとは予想だにしていなかったでしょう。学生気分が抜けない二十代後半だった若者たちが、夢を追って挫折や成功を経験し、責任ある本物の大人への成長する物語が人々の共感を呼んだに違いありません。
数台のソファとチェアを舞台に、世界中の人々を魅了した物語の大部分が描かれたことに、今更ながら驚き、ちょっとした感動すら覚えます。