ソファとSNS

ソファと過ごす彩り時間

ソファとSNS

ブログやSNSサイトが発達し始めた頃。その存在を快いものだとは思っていなかった。

考えや思いを内側に巡らせる自分にとって、なぜそれをわざわざ公に発信して、
大勢の人に見てもらわなければならないのか理解できなかったからだ。
あまり多くを語らないのが美学。言実行ではなく、無言実行。
何とも男前で、尖った考え方だが、そういうスタイルで生きて行くのだと思っていた。

ところが、現在。
ソファの上でブログを更新したり、SNSサイトをチェックするのが日課となっている。
使用しているのは、持ち運びやすいノートパソコン。
ソファに座り、膝掛けをひいて、その上にパソコンを置き、カタカタカタ。

きっかけは、遠方に住む友人との再会だった。
その友人というのは、とある病を抱えており、治療のため仕事を辞めて実家に帰省していた。

病の原因ははっきりとしたことは分からないが、
どうやら人間関係に悩んでいたことが一つとしてあるようだった。

正直言って、少し驚いた。
学生時代、特に仲の良かったその友人とは、頻繁に連絡は取らないまでも、
彼女はいつも前向きで、活発で、誰とでもすぐに友達になるような性格だったので、
きっと新しい地でも楽しく過ごせているに違いないと思っていたからだ。

便りがないのは元気な証拠。そう信じて疑っていなかった自分がいた。
もっと早く知っていれば、何か力になれたかもしれないのに。
いつの間にか、薄くなっていた彼女との繋がりに、ふと危機感を覚えた。

「人との繋がり」−それに重きを置くには、会って話す、電話をする、色々な手段がある。
でも仕事に家事に忙しい毎日、そんなに時間が取れるわけではない。
だとするならば、「元気でやっているよ」と自ら発信するのも、
発信した友人に対して返答するのも、一つの手段。そして、それも繋がり。
その考えにいたってから、ブログやSNSサイトに対する考え方がガラリと変わった。

慌ただしい一日を終え、ソファの上でほっと一息。友人たちの日常をのぞいてみる。
今では、大好きな時間となっている。

2012年1月16日 / タグ:[ , , ]