TOP > ソファスタイル コラム > ソファーに囲まれる生活 > ロリータファッションとピンクの座椅子
妹の麻耶の趣味は。ロリータファッションです。
目覚めたのは、高校1年生のときでした。
夏休みのバイト代を持って、買い物に行きました。
帰ってきた麻耶の姿を見て、家族一同が、驚愕してしまいました。
麻耶は、その日、ロリータファッションの専門店で、衣類や靴を買い揃えたのだそうです。
本当は、それらを、家に持って帰るつもりだったそうです。
でも一度、身に付けてみたら、もう脱ぎたくない…と、突然、何処からかそんな気持ちが
湧き上がったきたのだそうです。
だから、そのままの格好で電車に乗り、街中を歩いて帰ってきたのだということでした。
母と私は、麻耶のそんな趣味のことを、少し前から、ある程度は知っていました。
だから、そんなには驚くことはありませんでした。
しかし、父の驚きようといったら、それはそれは表現のしようがないくらいでした。
麻耶は、足の先から頭のてっぺんまで、ピンク一色でした。
靴も、洋服も、頭に付けているヘッドドレスまでが、全てピンク色でした。
まるでトウシューズの様な靴には、甲の部分に、ひらひが付いていました。
お椀を逆さまにしたような、ふうわりとしたドレスにも、あちこちに、ふんだんにひらひらが
付いていました。
そして、頭に付けているヘッドドレスにも、勿論ひらひらが付いていました。
ピンクとひらひらに包まれた娘を玄関先で見て、父は倒れてしまいそうでした。
そんな麻耶も、今や大学生です。
少しは落ち着いたのですが、趣味は貫き通しています。
大好きな色は、ピンクで、ファッションといえばロリータです。
休日は、自室でパソコンに向かうことの多い麻耶は、床に座ってキーボードを叩きます。
机と椅子などダサイのだそうで、そんなものは部屋のイメージに合わないのだそうです。
カーテンも、ベッドも、ノートパソコンも、コンセントまでもが、全てピンク色です。
そんな麻耶が、探して買い入れてきた、ピンクの座椅子。
その座椅子の座り心地が、思いのほか、素晴らしいのでした。
一度、使わせてもらった座り心地が、どうしても忘れられなくて、私も買うことにしました。
でも…私は、ピンク以外の色にしようと、思っています。