10色カラーのカバーリングソファ

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ソファに囲まれる生活

10色カラーのカバーリングソファ

わが家のおチビさんこと静香は、私の姪です。
そして両親にとっては、目の中に入れても痛くないという、初孫です。

この静香のために、10年ものあいだ私たちと生活を共にしてきたレトロソファが、
わが家から出されました。

とても座り心地の良いソファだったのに、親戚の家に貰われていったのです。
そのレトロソファを、わが家から追い出したのは、静香です。

静香が、いつも食べ物をこぼすので、そのレトロソファが駄目になる前に、親戚の家に
避難させたのです。

そしてそのソファの代わりに、わが家へやってきたのが、カバーリングソファでした。

ソファにカバーを掛けてあるので、もしも静香が汚してしまっても、そのカバーを
交換すればいいのでした。

初め母は、2色のカバーを買い入れました。
静香がやってきて、そのソファを汚してしまった時にだけ、カバーを交換しました。

汚れたカバーは、クリーニングに出し、綺麗になったそのカバーを、再び使用していました。
しかし、ソファの色が変わると、リビングのイメージが、大きく変化しました。

ただカバーを変えただけなのに、部屋全体の雰囲気が、それまでとは全く違うものに
なってしまうのです。

それは、まるで魔法のようで、そのリビングにいる私たちまでもが、違う人間に
なってしまったような錯覚に陥りました。

それまでは日本人だったのに、ソファの色が変わっただけで、ある日突然フランス人に
なってしまったような気分になりました。

ある色のカバーをかけると、わが家はドイツ人の家族になりました。
毎日の食事のメニューも、ソファに掛けるカバーの色によって、何故か変化するのです。

みんなで観るテレビの番組まで、カバーリングひとつで変わってしまうのでした。
初め、父と私は、そんな母の変わりように、ついていけませんでした。

気取ったフランス料理や、初めて見るデザートに、うんざりしました。
しかし、気分が変化するというのは、そんなに悪いことではありませんでした。

父も、私も、会社で溜めたストレスを、その変化で全て解消できたのです。
明日は、何色のソファになっているのでしょう……?

最近では、母よりも、父と私のほうが、それを楽しみにするようになりました。

2012年2月1日 / タグ:[ , , ]