ソファとおままごと

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ソファと過ごす彩り時間

ソファとおままごと

この年齢になると、友人の半数ほどは結婚して、しっかり家庭を築いている。

隣の芝生は青く見えるというし、人間は無い物ねだりをするものだが、
独身女性にとっては、既婚女性の安定感や幸福な未来予想図を羨ましく思うものだし、
既婚女性にとっては、独身女性の自由さや無限大の可能性を羨ましく思うものだ。

高校、大学、社会人…似たような道を歩み、似たような悩みを持つ期間を過ぎ、
20代も後半になると、女性の人生というものは幾つもの選択肢を持つようになる。
もちろん男性だって同じだが、結婚、出産の持つ意味合いは男性のそれよりは大きい。

だから、ずっと一緒に過ごしてきた親友とも、抱える悩みに少しずつ変化が生じて、
それは時に、寂しさを感じさせる。だからこそ、積極的にお互いを理解し合う時間を持つ。

度々、長年の親友であるその彼女は、今の彼女にとって一番愛すべき者であり、
また一番悩みのタネでもある対象と一緒に我が家に訪れる。

4歳になる少女は、好奇心旺盛で、見るもの全てが珍しく、奇妙に映るのだろう。
積極的にあちらこちらを散策する。中でも最大のお気に入り場所はソファの上のようだ。
いつからか我が家の住人になったクマとゾウのぬいぐるみにいつも興味津々の様子。
ソファでぬいぐるみと遊びだすとおとなしくなってくれるので、しめたもの。
私たちは、今だとばかりにお互いの近況を語り合う。
既婚女性からすると、我々が心を痛めて仕方ない失恋すらも目映くみえるそうだ。

運命の相手がいることを信じて、一喜一憂して、ひとたびうまくいかなくなると、
躍起になって自分を磨こうとする。その行為がたまらなく愛おしいのだと。

話に夢中になって、ふと気がつくと、少女はぬいぐるみとおままごとを始めていた。
クマは女性役、ゾウは男性役のようだ。ゾウは何かに対して怒られているらしい。
その口ぶりが、親友にソックリで、私たちは顔を見合わせて笑った。

2012年2月22日 / タグ:[ , , ]