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遮光カーテンから透けて差し込む光の中で、ふと目をさます。
あれ?ソファにいたはずだったのな、とふと疑問を覚えるが、
まだまだ取れない眠気に支配されてしまい、思うように頭が働かない。
ゆっくりと無理のない程度で昨日の記憶をたぐりよせる。
そうそう、確かにソファで寛いでいた。気心知れた恋人と一緒に。
仕事でとっても良いことがあった。
狙っていた案件を見事受注し、さらに抱えていた問題が綺麗にクリアとなった。
だから祝杯をあげようと自ら言い出したのだ。
いつも飲んでいるのだから、あえてそういう必要もないのだが、
祝杯だから、おつまみも豪華になれば、飲み物はスパークリングワインとなる。
ほろ酔いになりながらソファの上に気兼ねなくごろりとできる幸せ。
ソファはいつも同じ佇まいをしている。
基本は柔らかく、でも適度に反発力もある。変わらない物腰で、でんとかまえている。
それがとても安心感を生み出してくれる。
実家にいた頃からそうだった。ソファで何かをしていると、
それがどんどん心地良くなってきてしまい、結局いつのまにか寝てしまう。
母親に何度起こされただろう。気付けば父親が帰宅していたことや、
いつのまにか弟にポジションを取られていることもしょっちゅうだった。
まだ治らない癖。でも、ソファから移動をさせてくれる人がいるのだろう。
気付けば、ベッドですやすや眠っていたらしい。
一度も起きることなく、なのだから始末が悪い。
台所では、何かが良い香りをさせている。
いつもそこに立つのは自分の役目だ。包丁がまな板を叩く音。
こんな気分の良い目覚めを、世のお父さんたちは味わっているのだろうか。
一応ダイニングテーブルもあるが、いつも朝食場所はソファだ。
前にあるテーブルに並べられる。スタンダードなラインナップ。
トースターに目玉焼き、野菜がランダムに切られたサラダまで付いていた。
たちまち嬉しくなって、目の前にあった目玉焼きにフォークを刺す。
ソファで過ごす、至福の休日の始まりだ。