ソファと文化

愛しのソファでリラックス

ソファと文化

前回、アメリカでのソファ体験を綴りましたが、
そうして気付いたのはソファにも文化が影響しているのだなということです。

皆さんご存知のとおり、ソファは一人掛け、二人掛け、三人掛けという区分けから、
カウチソファ、ソファベッドなどの種類別まで様々なタイプがありますよね。
そして、アメリカでその様々なソファを体験したのですが、それぞれのソファに
やはり用途にあった良さがあるのです。

けれども、日本の家庭でその様々な用途別にソファを購入するというのは、
かなり広いお宅でない限り難しく、自然、一つのソファにいろいろな要素を組み込んだものが
販売されるようになったと思います。

私が子供の頃は、その日本のソファ文化発展途上期だったのかと思います。
ソファはリラックスできてよい物だけれど、日本の家庭、狭小といえる場所でも
ソファの良さを十分に発揮しうるほどのソファが販売されておらず、
必然西洋の物まね的なソファが主流だったのではないかと思います。

現在は、日本の住宅サイズに合った、そして一つのソファでいろいろな要素をかみ合わせた
マルチソファのようなものが販売され、それこそ家族単位でない、
学生さんの一人暮らしに至るまでソファってあるといいよね、という文化にまで
浸透してきたのではないかと思うのです。

私は西洋文化はアメリカ体験しかありませんが、
彼らの住宅は様々なタイプのソファを配置しても十分に足りるほどに間取りがあり、
天井高もあります。そうすると、ひとつのソファに一つの機能。
それを満足するような文化になっていると思います。アメリカは得てして何事にも大雑把
という表現をされがちですが、それは彼らの住環境がそれを許し得るゆとり
があったからだと思うのです。よい意味では鷹揚な彼らの文化。
この日本の繊細ともいえる文化は、小さな世界でどれほど多くの機能を盛り込むか
ということに集中してきた文化の中で育まれたものではないのかなぁと感じるのです。

2011年12月24日 / タグ:[ , , ]