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年末に近づくと、街や店は、クリスマスやお正月仕様に装飾されるため
賑やかになると同時に、自分の気持ちもソワソワしてくる。
仕事も追い込みで忙しいし、友人や同僚との忘年会も多いし、
自宅の大掃除もしなきゃならないし…。
時間がいくらあっても足りないのに、毎日はあっという間に過ぎていく。
正直な話、次々と埋まっていくスケジュールをこなすことで精一杯。
でも、そんな年末行事の中でも大切にしている項目がある。
それは「年賀状を書くこと」。
作業場所はいつもソファの前にあるテーブルだ。その際、ソファは背もたれとなる。
なかなか顔を合わす機会がない祖父母や親戚、結婚して地元を離れた友人、
中学時代や高校時代にお世話になった恩師。
自分にとって大事な人をひとりひとり思い出していく。
今はメールという便利なものがある時代。
もしかしたらその必要性や存在意義は少し薄まっているのかもしれないけれど、
だからこそ、このアナログな作業を大切にしたいと思っている。
普段は思い出すことも少ないが、こうして誰に年賀状を送ろうか考えている時間は
「相変わらず大きい声なのかな」「もう随分老けただろうな」など、
思い出を振り返ると同時に、現在の彼らの姿を思い、無性に会いたくなる。
また、自分の生きてきたルーツや形成された価値観の根源などを見つめる時間でもある。
出会った人全てに少なからず影響を受けて、今の自分になったのだと思う。
この中のひとりでも欠けていたら、また違う自分になっていたのかもしれないのだ。
そんなことを考えながら年賀状を書いているため、筆は全然進まない。
少し休憩だと言っては、ソファの上に寝転がったり、そのまま昼寝してしまったり。
テーブルには作業のお供である食べかけのお菓子や飲みかけの紅茶が置かれている。
そういえば、このソファにも一年間、随分お世話になった。
友達を騒いで楽しいときも、人間関係に思い悩んで辛いときも。いつでも一緒だった。
気合いを入れて、クリーニングをしてあげよう。