ソファと特番

ソファと過ごす彩り時間

ソファと特番

年末年始の楽しみはいっぱいある。

親戚も含めて家族がみんな揃ったり、学生時代の友人たちとの同窓会があったり。
普段出会えない豪華な料理が食卓に並んだり、お昼からお酒を飲んで酔っ払ったり。

テレビの特別番組もそのひとつ。その類が増えると、年末が近づいてきたのだと感じるし、
減ると普通の日常に戻るのだと少し寂しくなる。

いつもはテレビを観ることの出来ない時間帯に、ソファに寝転がりながらリモコンを
操作しているのは、なんだかとても贅沢な時間であるような気がする。
自宅で一人ソファに座って楽しんでいることもあれば、
実家で兄弟たちとソファに並んで座って観ていることもある。

その際、テレビが一番良く見えるポジションをゲットするのは争いを避けられない。
大抵、年長者が独占しているものだから、とっておきの番組があるときは、
その日その時間まで自宅にいるか、時間が許す限り早めに移動して、ちゃっかり録画する。

テレビの内容は世相を反映する。
今年はその傾向が特に強く、「絆」をテーマにしたものが多かったようだ。
この目に見えないものを表現するのはとても大変なことだと思う。
とても長い時間をかけて築かれるものだから、しっかり表現しなければならない、
でも大袈裟すぎてもわざとらしくなる。

ドラマやドキュメンタリーは、お涙頂戴的な演出が見えると余計安っぽく感じてしまう。
そのさじ加減は非常に繊細で、作り手側は何ヶ月もかけて議論して形にしていくのだろうが、
視聴者の反応はフタを開けてみないと分からないものなので、つくづく大変な仕事だなと思う。
見る側はその判断を瞬時に下す。それこそ、ソファで寛ぎながら、一端の評論家のように。

個人的には、練り上げられた演出よりも、
兄弟とともに、お笑い番組を見てゲラゲラ笑ったり、音楽番組を見て感動して涙したりと、
一緒に喜怒哀楽を楽しんだほうがよっぽど「絆」を感じる。

もしかして、それも作り手側の演出の一つなのだろうか。

2012年1月3日 / タグ:[ , , ]