おてんば娘とカバーリングソファ

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ソファに囲まれる生活

おてんば娘とカバーリングソファ

わが家へ、ときどき姉の娘がやってきます。
勿論、姉と一緒にです。

両親にとっては、目の中に入れても痛くないような、初孫です。

しかし私にとって姪になるその娘は、世界中で一番初めに私のことを「おばちゃん」と
呼んだ、憎っきおてんば娘なのです。

そのおてんば娘は、まるでわが家を、自分の家のように思っています。
そして両親も、その横暴なる振る舞いを、見逃してばかりいるのです。

親である姉さえも、注意の一つもしません。
そんなことだから、日本の将来に希望が持てなくなってしまうのです。

私は、いくら自分の姪であっても、きちんと注意をします。
別に、「おばちゃん」と言われたことを、恨んだりしている訳ではありません。

これは、日本の将来を見据えた上での、行動なのです。
その場しのぎの、安易な行動とは次元が違います。

噂をすればさっそく、その姪である、静香がやってきました。
だいたい静香という名前からして、付け間違えているのです。

でも…まあ…姉としては、その名前のように、静かな女の子に育ってほしいという希望が
あったのかもしれません。

「おばちゃん!」何の遠慮もなしに、静香が、私の部屋の中に飛び込んできました。
ノックが無かったことにも、おばちゃんと呼ばれたことにも、私は腹など立てていません。

「さ、あっちへ行きましょう」平然とした顔をして、私は静香をリビングへ連れ出します。
そこには、姉と両親がいました。

大きなショートケーキを、箱から取り出してます。
ガラステーブルの上に置いたとたん、静香が走っていってそれを掴み取ろうとしました。

「あっ!」両親と姉と、私の4人が大声を上げました。

一度は静香の手の中にあったショートケーキが、ふわりと宙に浮かんで、ぐしゃりとソファの
上に落ちました。

「こらっ」と静香を睨む私に、父が「余分に買ってあるから」といいます。

「汚れたソファはどうするの」というと、
またまた「これはカバーだからすぐに洗えるのよ」と、母がいいます。

そういえば先日、静香のために、カバーリングソファに買い換えたのでした。
静香を見ると、まるでそんなことなんかお構いなしという顔で、すでにケーキを食べています。

2012年1月12日 / タグ:[ , , ]