ソファと文庫本

ソファと過ごす彩り時間

ソファと文庫本

その時間は、ありとありゆるタイミングでやってくる。
眠りにつこうとべッドへ入る前に。約束までまだ少し時間がある時に。
たまっていた家事を一通り終えた後に。

ソファの上には読みかけの文庫本がいくつも散らばっている。
ミステリーだと次が気になってどんどん読んでしまうが、エッセイや恋愛モノだと
すぐに飽きて違うものが読みたくなってしまう。
だから常に、ソファの上には5〜6冊ある状態。それが落ち着くのだ。

文庫本のサイズはちょっと読みたい、という気分にぴったりのサイズのように思える。
単行本だと重厚すぎて、何だかためらってしまう。しかも、失敗するには値段も高い。
いくつもの文庫本を同時に読むので、しおりが何枚も必要になってくる。
本屋で文庫本を購入すると、広告のようなしおりが必然的に付いてくるが、
それを使用するのではなく、わざわざ購入するようにしている。
他人から見た場合、何だか読書家っぽい印象になるし、自分自身も何だか楽しい気分になる。

午前中読むときは、自然光を利用している。
ソファの上に座ると、窓辺からキラキラと光と温もりが入ってくる。とても気持ちがいい。
ソファの前にあるテーブルには紅茶が置いてある。
午後は光が弱くなってくるのでランプをつける。でもその立ち上がる行為を面倒に感じて
グズグズしているうちに、居眠りをしていることが多い。
どちらも好きな時間帯。余計なことは何も考えずに没頭できることがすごく楽しい。

その小さな文庫本は、読み進めるうちに自分の知らない世界や価値観を次々と与えてくれる。
人生の回答を得ることもあるし、勇気をもらって突如行動力が増すこともある。
ただ生きているだけじゃ体感しないであろう様々なことを、
時に想像力をフル回転させながら、理解して、消化して、自分の中におさめていく。

それは、冒険、挑戦、の類い。ソファの上というわずかなスペースに守られながら。

2012年2月7日 / タグ:[ , , ]