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油断するとついつい、ほったらかしになるその部分は、
自分の自分自身に対する意識の高低をとてもよく表している。
ソファに寝転んで雑誌を読んでいる時やお菓子をつまんでいる時に目に入る。
伸びた分だけ自分を気にかけていなかった時間。
そもそも、女性はやることが多い。
仕事だっていい年齢になると人並みにできなきゃいけない。
でも料理もそれなりにできないといけない。
彼氏と会わなきゃいけないし、友達ともお喋りしなきゃいけない、
たまには実家に顔も出さなきゃいけない。ファッションだって、お稽古だって。
時々、それをぜーんぶ放り投げてみたくなる。全てを忘れて、正しくは忘れたフリして、
ソファに身を委ねる。ひたすら時間が経つのを待つ。がんばることなく、あるがままに。
たまにそういう、女性であることを休む時間というのが自分には必要だ。
あれやこれやと欲張る生活から、一転、無の境地を目指す。
といっても大袈裟なことではなく、誰にも会わない、メイクもしない、そんな時間。
多くはソファの上で過ごす。部屋中で一番居心地が良いからだ。
何をするでもなくぼんやりしていると、ふとソファの前にあるテーブルで目が止まった。
そこには、以前使用して、そのままの置き忘れていたネイルが置いてあった。
ドラッグストアや百貨店に行くとつい新しい色を買ってしまうので、
使いこなせるわけではないのに、色数だけはやたらと多い。
ブランド物の高いものから、どこででも買える安いものまで。
そのたくさんある中から、「その日の色」を決めるのが好きだ。
彩り豊かなネイルたちをソファから眺めているだけで、何だか嬉しくもなる。
それと同時に、その気持ちに気付いた途端、自分はやはり女性なのだなーと思う。
メイクしかり、女性に武器を持たせてくれるアイテムのひとつ。
最近はネイルサロンに通っている友人も多いが、
不器用でも、自分で自分の指先を綺麗にしていく作業が楽しい。
休憩は、そんなに長くは続かない。そんなことを考えているうちに
お洒落して出かけたくなり、今日もあっという間にソファから飛び起きる。