ソファの思い出 アメリカ編3

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愛しのソファでリラックス

ソファの思い出 アメリカ編3

ホームステイで3州、3か所の家庭でお世話になりました。
どの家庭も本当に良くして下さり、今でも感謝でいっぱいです。

1か所目は大学見学にも行ったバージニア州。
2か所目はアトランタに行きました。その家庭は、既にお子さんたちは独立している
家庭だったのですが、様々な事情で親と同居できない子供たちを何人も
里子として受け入れている家庭でした。

私がステイをした時も、ちょうど14歳になる男の子が同居していました。
彼は親の愛情を全く受けられずに育ったため、情緒不安定な状態で、
身体の成長も少し遅めでした。
アメリカのティーンエイジャーの成長が日本の中学生を遥かに上回っているのに、
彼は日本の中学生の中でも成長の遅い部類の様子でした。
それでも、私がステイしたときは、既にその家庭で2年くらい過ごしていたため、
私に対しても人見知りすることなく、フレンドリーに接してくれました。

自分より、つたない英語を話すアジア人を自分が守ってあげなければならないと
感じたようで、何かと私に気を使い、世話を焼いてくれました。
彼にとっても、誰かをケアする側に立つという、良い刺激だったようです。

そのホストファーザー・マザーが大切にしていた事に、
食後にソファで団らんの時間を持つことをがありました。
その家庭は食事の時間にTVをつけることはしません。
その日1日にどんなことがあったかを食事をしながら話します。
そして食事が終わり、食後のコーヒーを準備して、家族で集まるのです。
もちろん、ホームステイの私も家族の一員として、家族団らんに加えてもらいました。

特別何をするわけでもなく、TVをつけて皆でおしゃべりをして過ごすだけです。
けれども、その時間が里子の男の子に平安な心を与えたのは間違いないだろうと
1カ月そこで過ごしてみて実感したのです。

彼がその家庭に来た頃は大人に対する不信感と敵対心がとても強かったそうです。
一度そのように不信感を抱いてしまえば、ぬぐい去るのは難しいと思います。
けれども、特別扱いもせず、うるさく干渉するのでもなく、ただ、団らんの時を持つ、
それが、彼の痛みや悲しみを和らげたのは、とても大きいのではないかと感じました。

2012年2月12日 / タグ:[ , , ]