デザイナーズソファ物語 A - ソファースタイル

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デザイナーズソファ物語 A

意匠権なるものを持っているメーカーだけがデザイナーズソファーの正規品、オリジナルとして製造・販売することができる・・・と、いうお話を前回しました。今回はその意匠権について分かり易くお話しますね。

「意匠権ってなに?」

 

意匠権(いしょうけん)というのは、簡単に言えば「独占的に製造・販売できる権利」ということです。独占・・・って聞くと、なんだか儲け主義の権利みたいに聞こえますが、そうじゃなくてオリジナルデザインの保護が一番の目的なんです、この意匠権って。『意匠』って言葉は『デザイン』っていう意味なんです。だから本来は『デザインを守る権利』というのが正しいんですよね。独占的に製造と販売ができるのは意匠権を持つことの付加価値ってことになるんです、本当のところは。

 

例えば・・・商品が世の中に出始めた時に「これ、いいねー。」と評判になって、「それなら我が社も!」と見様見真似で形だけ真似して作ったソファがあったとしましょう。すると、「どっちがオリジナル?」と類似品との間で消費者が混乱してしまうでしょう?オリジナルの品位を貶めることにも繋がっちゃうんですよね。これは違法にもなるので意匠権を持っているメーカーは類似品を排除することができるんです。これも全てそのオリジナルデザインを守るためなんです。結果、類似品によって正規品ソファのデザインの質を落とされることもなく、初期のオリジナルから一貫して品質維持することができて世の中で認知されて時を経ても市場に出ているのもこの意匠権のお陰なんですよね。オリジナルデザイナーズソファは意匠権によって守られていたんです。

 

「それじゃ、私が持ってるこの美術品も意匠権で守ってもらおう。」と思っても、残念ながらこの意匠権はなんにでも登録することができる権利じゃないんです。「デザイン性がある工業生産品」に対してだけなんです。大量生産できる製品じゃないとダメなんです。美術品のように量産できない一点ものは意匠権でそのデザインは守ってもらえません。産業財産の権利のひとつなので、自動車や衣服などはOK!です。でも、この意匠権、実は期限があるんです。(日本は20年、アメリカは14年、ヨーロッパ主要国は25年) この期限が切れた後に正規品以外の『リプロダクト』製品が市場にお目見えするわけなんです。次回はこのリプロダクト製品が生まれた経緯をお話しますね。